お米は研ぐのか、洗うのか!
今日は、炊飯する前に、お米を研ぐのか、洗うのか、という話です。
正解は、洗うです。ただし、条件があります。米屋などで一般に販売されている、つまりは、業務用の精米設備で精米されたお米の場合です。
生産者による昔の精米機で精米されたお米、コイン精米や家庭用精米機で精米されたお米については、一概に答えることができません。
まず、基本的なことをお話しします。
生産者からお米が届きます。玄米です。もみは生産者がすでに籾擦り機械で落としています。玄米の表面に近いところは、ヌカ層です。これを精米機で削ることで、白米になります。ヌカの層は、重量でだいたい十分の一。例えば、十キロのお米を白米にすれば、九キロ前後になります。
昔の精米機は、精米の仕上がり具合が弱く、あまり白くありませんでした。また、ヌカの切れもよくありませんでした。それを、炊飯前に、研ぐことで、つまり、研磨することで、表面のヌカやほこりを取り、さらに比喩的に言えば、薄皮一枚はぎとり、白米に仕上げたとも言えます。
当時の研ぐとは、手の付け根で、米を押し付けながら、ぎゅぎゅっと米粒同士をすり合わせることで、表面を一皮むくことでした。
現在の業務用精米機のレベルは、はるかによくなりました。短時間で白米に精米できますし、表面のヌカの切れもよくなりました。
このような状態では、家庭での研ぎによる最後の仕上げは不要です。むしろ、強く研いでしまうと、米粒が割れる恐れがあります。米粒が割れると、炊きあがりがべちゃべちゃになったり、米粒から早く溶融したでんぷんが炊飯器の底にたまり、炊飯器の温度センサーの働きを邪魔します。最悪は、べちゃべちゃなのに、芯が残るご飯になってしまいます。
では、どうすればいいでしょうか?洗いです。米研ぎではなくて、洗米です。
そこで重要なことは、一回目です。素早く手早く、汚れを浮かび上がらせて、濁った汚れ水を捨てることです。ここで、時間をかけると、汚れた水を米が吸ってしまいます。水分15%くらいの白米は、猛烈に水を吸います。最初に水を入れた段階で、10%くらい吸うと言われています。
皆さん、お米について聞きたいことがあれば、何でも結構です。是非、ラジオフチューズまでメールをお寄せください。