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「玄米食2」天地米店小澤量のHave a Rice Day! ラジオフチューズ2019/11/12

投稿日:2019年11月12日 更新日:

 今日は、先週に続いて玄米です。

 三つに分けてお話します。

  • まず、玄米食の歴史
  • 二番目に、玄米の栄養
  • 三番目に、玄米食のメリット。デメリット。

 最初は玄米食の歴史についてです。

 元々は精米機などない時代、玄米で食べるしかなく、時代とともに、精米が普及していったイメージがあります。

 平安時代に、貴族階級が白米を食べ、農民は玄米を食べていた。江戸時代になると、特に精米技術の進んだ江戸では誰もが白米を食べて、地方では、分搗き米を食べていた、このようなイメージが一般的です。

 実際は、お米の伝来に合わせて、杵と臼も伝わり、お米を精米していた、これが、実態のようです。ただし、精米の度合いは、せいぜいが分搗き。今のような、ぴかぴかの白米までには仕上げられない状態が、長らく続いていました。

 農民は、税金としてお米を供出しますので、お米だけでは足りず、分搗き米に雑穀や麦を入れて食べていたようです。

 つまりは、玄米食の歴史は、意外と新しい。

 むしろ、肥満や糖尿病など、現代病が問題になり、その対策として玄米食が取り上げられ、「昔に戻れ」的な方向の中で、一般的になっていった、これが正しいイメージのようです。

 さて、二番目の栄養です。

 玄米は栄養がある、よく言われます。確かに栄養豊富なヌカと胚芽を含んでいますので、白米に比べれば、間違いなく栄養豊富です。では、一日の必要栄養摂取量と比較したらどうでしょうか?

 まず、一日に食べる量を決めないと計算できませんね。

 今は、お米の一人当たり年間消費量が60kgを切っています。一日にすれば、一合程度です。昔を見れば、三合です。これで、年間150kgくらい、つまり、一石です。何度も説明した加賀百万石の石。一人を養うことができる量、150kgですね。

 他に例をとってみましょう。

 吉田松陰は、江戸詰めのときに、白米四合一勺支給されていたそうです。おかずは、金山寺味噌と沢庵くらい。

 宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」では、「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ」と言ってます。

 ちょっと極端な例ですが、フジヤマのトビウオ、古橋広之進は、一日五合食べたそうです。

 ということで、玄米四合を例にとってみます。一日に必要な栄養量は、年齢性別労働強度で変わりますが、私を基準とします。

 玄米四合摂取すると、

  • エネルギーは、75%
  • タンパク質は、59%
  • 脂質は、20%

 脂質が少ないですね。

 足りないタンパク質は、大豆が有効です。さらに、お米と大豆の組み合わせで、食事から摂取しないといけない必須アミノ酸がすべてとれます。

 ビタミン類も豊富です。ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンE・ナイアシン・パントテン酸など。ビタミンEが97%、あとは、悠々と100%を超えています。

 これらのビタミン類は、代謝に必要です。代謝とは、糖質・タンパク質・脂質を使って、体の全ての活動に必要なエネルギーを作ることです。この代謝に必要です。足りないのがビタミンB2くらい。ちなみに、ビタミンB2を多く含む食品は、魚介類・レバー・のり・豆類・牛乳・卵などです。

 あとビタミンAとビタミンC・ビタミンDが全くありませんので、他の食材が必要ですね。

 さらに、ミネラルも豊富。マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・銅は、100%を超えています。

 このように、栄養を玄米が持っている数字だけで見れば、大変な量です。が、本当に玄米は栄養豊富といえるでしょうか?最後の課題で説明します。

 最後は、玄米食のメリット・デメリットです。

 メリットとしては、さきに説明した豊富な栄養素です。さらに、さきほどは言及しなかった食物繊維があります。腸内環境改善とお通じの改善。これも、言われています。

 では、デメリットは何でしょうか?

 まず、栄養素が豊富だからといっても、玄米は消化吸収が悪いと言われています。玄米は、ロウのようなヌカ層に包まれていますので、消化も吸収も遅くて悪い。これでは、豊富な栄養もその価値が下がります。

 また、玄米に含まれているフィチン酸がミネラルの吸収を阻害したり、アブシジン酸が害を及ぼすという主張もあります。

 これらの研究を調べたのですが、どれも、実験の前提に問題があったり、ラットによる実験だったり、実験ではなく、理論の積み重ねだけの主張だったりで、本当に何が正しいか、判断できる状態にはないようです。

 このような状態で、一つだけ間違いなく言えることがあります。それは、咀嚼です。噛むことです。良く噛んだ玄米は、白米よりも吸収が良いという研究もあります。逆に、血糖値が早く上がるようです。

 色々説明してきましたが、私の結論としては、玄米食も楽しんでください、ということです。

 あまり、気張らずに、肩を張らずに食卓を豊かに楽しくする一つの方法として。そして、せっかくの栄養です。しっかり、ゆっくり噛んで、豊かな風味と食感と栄養を楽しみましょう。

 今日はここまです。

 次回は、十一月二十六日火曜日です。玄米食の続きです。

 皆さん、お米について知りたい聞きたいことがあれば、何でも結構です。是非、ラジオフチューズまでメールをお寄せください。

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