今週も、引き続き玄米のお話です。
先週の話を復習します。
- まず、玄米食の歴史は昔からの習慣というより、意外と最近の話だということ。
- 二番目に、玄米の栄養は、非常に豊富だということ。
- 三番目に、豊富な栄養も消化吸収の問題があり、他にも、デメリットが指摘されている点があるということです。このデメリットについては、別の機会に詳しく説明したいと思います。テレビやネットで、不十分な情報が出回っていますので。
最後に、私のお奨めは、良く噛んで食べて、玄米食も一つの選択肢として楽しんでいただきたいということです。
さて、今日の話は、玄米の炊飯とお薦めの品種です。
元々は、圧力釜を使っての玄米炊飯が一般的でした。というより、玄米食をしようと思ったら、圧力釜しかなかったと言ってもいいでしょう。
それが、最近は電気炊飯器に玄米モードがつくようになって一変しました。これは、以前にもお話しました。
圧力釜での炊飯の場合、水に漬ける時間をとらないといけません。10時間以上は水に漬けたほうがいいですが、夏場などは、漬けている間に水がいたむことも気を付けねばなりません。最近の生活スタイルで、これだけ炊飯に手間をかけるのはなかなか難しいことですね。
圧力釜の魅力は、とにかく、もっちり炊けることです。これは、電気炊飯器より一日の長があります。圧力釜に慣れた人は、やはり、玄米は圧力釜でないと、と言われます。
電気炊飯器の玄米モードの利点はとにかく手軽なことです。炊飯に2時間程度かかりますが、洗ってポンです。
とにかく、玄米食を始めたい、試したい、オプションにしたい、という希望がある方は、電気炊飯器の玄米モードをお勧めします。
ただ、一つ注意点があります。
電気炊飯器には、いくつかのタイプがあります。IH型・IH圧力型・マイコン型と。
玄米をしっかり炊くには、最初の二つ、IHかIH圧力が望ましいようです。マイコンは、やはり玄米の炊飯能力が劣るとの研究結果が出ています。
これも、これからの炊飯器メーカーの開発努力で変わってくるかもしれませんが。とりあえず、現状で言えば、玄米を炊くには、IHかIH圧力のほうが望ましい、ということです。
そして、マニュアルを良く読みましょう。玄米を炊く時の注意事項が書いてあると思います。メーカーや機種によって、その内容も異なっているかもしれません。必ず、まずは、マニュアル通りに炊飯してみてください。慣れてきたら、水の量やモード選択など、色々と試して、お好みの炊き方を探ってみるのも面白いと思います。
二番目のお話は、玄米食をする上での品種です。
慣れた方は、色々試したうえで、ご自身のお好みで、「私はこれ」という品種を探していきます。もっちりした品種もあれば、さっぱり硬めの品種もあり、どれがいいかは、最後は、お好みです。これは、白米でも同じことですが。
ただ、玄米食初心者の場合には、やはり始めやすい品種があります。
これから玄米食を始めたいとか、以前、トライしたが、当時は圧力釜を使う手間が大変だったとか、ご家族が嫌がるからなどの理由で玄米食を断念した方の再挑戦などの場合、あまり硬くて、ある意味、玄米らしい玄米は、ちょっととっつきにくいかもしれません。
そんな人向けに、お薦めしたい品種があります。
低アミロースの品種です。
低アミロース。最近は、かなり一般的になっている用語かもしれませんが、あらためて説明しますと、でんぷんの質がもち米に近いことを意味します。
お米のでんぷん質には、二種類あります。アミロペクチンとアミロースです。普通のお米の場合、アミロースは20%くらい。タイ米など、ぱさぱさの長い粒のお米は、アミロースが30%以上あります。逆に、もち米はゼロです。すべて、アミロペクチンです。
つまり、アミロースが少なくなるほど、もち米に近づく、もちもちしたお米になる、ということです。
玄米食を始める場合、低アミロースの品種のほうが、もちもちして柔らかいので、最初の抵抗感が少なく、なじみやすいと思います。ご家族にも受け入れられやすい。特に、高齢の男性は、玄米に拒絶感のある方が多いので、そのハードルも乗り越えやすいですね。
では、具体的な品種は何か?
二つ推薦します。
一つは、「ミルキークイーン」。ミルキーが頭につく品種は他にもありますが、ミルキークイーンは、低アミロース度が非常に高く、そのもちもち感も抜きんでています。
もう一つは、「金のいぶき」。こちらは、最近でてきた品種です。このお米は、低アミロースのうるち米と餅米を掛け合わせた品種です。そして、独特なのが、胚芽が三倍あることです。そのために、吸水も早く、玄米モード炊飯で、今までにないような、もちもち感と柔らかさ、そして甘み旨味を感じるお米です。大きい胚芽が、胡麻をふったように見えるのも独特です。玄米苦手の男性でも、まず大丈夫なお米かと思います。
今日はここまです。
次回は、12月10日火曜日です。指摘されている玄米食のデメリットに反論するお話です。
皆さん、お米について知りたい聞きたいことがあれば、何でも結構です。是非、ラジオフチューズまでメールをお寄せください。