皆さん、新型コロナウィルスによる自粛生活、色々大変なことも多いでしょう。でも、楽しく美味しくご飯を食べてくださいね。手洗い・うがいが大切ですが、体の抵抗力も大事です。お米と味噌を中心に、栄養バランスの良い食事を、しっかり噛んで食べる、健康の基本です。
さて、今日のお話は、以前お伝えしたように、無洗米です。
いくつかのパートに分けてお話します。
まず、無洗米とは、どういうお米か。その定義、ならびに歴史的な経緯と内容です。
次に、無洗米のPR内容です。
そして、それを一つ一つ吟味します。
それでは、最初の定義と歴史的経緯です。
無洗米がブームになったのは、2001年から2002にかけてだったと記憶しております。というのは、2002年、日韓ワールドカップ開催の年ですね。この年に、当店のホームページを作りました。作った目的は、販売のためではありませんでした。
日本中の米屋や各種の団体と、無洗米に関する情報交換をしている間に、まとめていた情報をいつでも読める、誰にでも紹介できる常設のホームページを作って欲しいと言われて作ったものでした。
では、無洗米という技術は近年のものなのでしょうか?実は、20世紀初めには、各種の機械が開発されていたようです。なめし皮などによる研磨方式、静電気を利用した方式、精米機に送風の装置を組み込んだものなどです。一部は大日本帝国陸軍で「不洗米」として試用されましたが、普及には至りませんでした。
そこから、かなり時代を経て、1977年、精米機大手のサタケが無洗米時代の先駆けとして「クリーンライト加湿精米装置」を開発しましたが、普及しませんでした。1991年頃に、業界では、新たな無洗米製造機が次々に開発され、2000年前後に、一気に話題となりました。
様々な製法や機械が登場する中で、なにをもって無洗米というのか、定義が求められ、日本精米工業会が、以下のように定めました。
まず、決められた測定方法による濁度、つまり水の濁りですね、を40ppm 以下とする。
そして、一般精米と同等の品質を確保する。
続きまして、今、どのような無洗米の方式があるか、四種類紹介します。
一番目が、水洗い乾燥法・湿式法。湿式の湿とは、湿度の湿です。水を使うので、こう呼ばれます。
二番目、BG精米製法
三番目、NTWP(ネオ・テイスティ・ホワイト・プロセス)加工法
最後に、乾式法。乾燥の乾です。水を使わないので。
それぞれの方式を説明します。
最初の水洗いで糠を除去する方法。わかりやすいですね。洗って乾かす。糠を廃棄物として洗い流す点が、環境負荷を低減するという無洗米本来の目的と合致せず、大掛かりな汚水処理設備が必要です。
二番目のBG無洗米製法です。
1991年、こちらも、精米設備メーカー大手の東洋精米機製作所が発表しました。
「糠で糠を取る」方法です。精米するとヌカが出ます。精米の仕方にもよるのですが、精米を二回以上に分けて精米する場合、最後の精米で出るヌカは、ヌカというより、白米表面のデンプン層がメインです。普通のヌカが茶色いのに対して、この最後のヌカは、白くてべたべたしています。「肌ヌカ」と呼ばれます。この粘着性を利用し、精米後にお米の表面についている微細なヌカ粒子を取ります。
三番目が、ネオ・テイスティ・ホワイト・プロセスです。
湿式法の一つで、前述した大手精米機メーカー サタケの製品です。水を使い米表面の糠を軟らかくした後、熱付着剤として加熱したタピオカに糠を付着させて取り除く方法です。水分の除去とタピオカの加熱にボイラーが必要になります。
今、湿式法と言いました。一方で、水を使わない方式を乾式法と言うとさきほど説明しました。二番目のBG無洗米は乾式法と呼ばれています。水を使わないからです。でも、BG無洗米プラントには水も灯油も引き込まれています。このあたりは、後日、無洗米PRの内容を吟味する際に、あらためて説明します。
最後に、乾式法です。
特殊な精米機やブラシなどで糠を取り除いたものです。他の無洗米方式に比べ、水を加えた際に白い濁りがでることがあるので、一度すすいでください、という意味で、軽く洗う米、軽洗米(けいせんまい)と呼ばれることもあります。
水洗い乾燥法や湿式法と比較すると、水分を加えない分だけ鮮度と食味が保たれるメリットがあると言われています。
現在、流通している無洗米で主流なのは、なんといっても、BG無洗米でしょう。
生協とスーパーでは、BG無洗米が圧倒的なシェアを持っていると思われます。
今日はここまでです。次回は、無洗米のPRを紹介して、検証していきたいと思います。