コシヒカリ JAS有機栽培 茨城県筑西市大嶋さん
厳選された玄米をこだわりの低温精米で仕上げます!
五ツ星・三ツ星マイスターとお好みのお米を探しましょう。
平成28年産 茨城県コシヒカリ
筑西市 大嶋さん
(JAS有機無農薬・無化学肥料栽培)
誕生:1956年
親品種:農林22号/農林1号
開発地:福井農業試験場
茨城県筑西市の大嶋さん(大嶋農産)が作るJAS有機認証による『コシヒカリ』です。
種籾処理・苗箱処理・除草・病気対策・害虫対策に一切、化学合成農薬を使用せず、化学肥料も使用せず、それを三年間以上続けて、JAS有機の認証を取っているお米です。
- 化学合成資材の代わりに、有機資材・自家製堆肥を利用
- 雑草は、米ヌカによる抑草効果と草刈機、最後は手で除草
- 雪塩(沖縄の天然塩)でミネラル分を補給
代表の大嶋康司さんは、平成25年4月24日放送の日本テレビ NEWS ZEROで特集された「攻めの農業 日本農産物の香港への売り込み」にも現地で商談する様子が報道されました。
『コシヒカリ』系譜と大嶋さんのお米
現在、日本で作られるお米の約四割を占めるコシヒカリ。その道のりは以下のようなものです。
元々、コシヒカリの開発は、1944年(昭和19年)、新潟で始まっていました。戦後、北陸の開発品種は全て福井県農業試験場に集められたので、1956年福井県で誕生しました。
最初「越南17号」という系統名でしたが、北陸の昔の国名「越の国」にちなんで、「コシヒカリ」と命名されました。
親品種は、いもち病に強い農林22号と食味・収量が優れる農林1号。この両親からは、コシヒカリの他にもいくつかの品種があります。全く、性質が異なります。育種の難しさと面白さがわかります。
最初は、あまり良い評判ではありませんでした。食味は良いのですが、病気に弱く倒伏しやすく、栽培しにくかったからです。
誕生県の福井県でも生産が見送られましたが、新潟と千葉だけが採用した結果、コシヒカリは日の目をみました。
その後、時代は量より質、美味しいお米が好まれる時代となり、倒伏を防ぐために肥料を抑えた、良食味のコシヒカリは、ササニシキと並ぶお米の横綱となり、全国的(北海道・青森・岩手・秋田・沖縄を除く)に作られるようになりました。さらに、コシヒカリの子供・孫まで入れると、日本の生産量の7割以上を占めるほどの、圧倒的な存在です。
日本中で作られるコシヒカリ。しかし、食味・品質はかなりの違いがあります。コシヒカリの子供にシフトしてしまった本場新潟県。大粒で噛みごたえのある山形県。薄味で硬めの関東など。
この大嶋さんのコシヒカリは、一体どんなお米?
茨城のコシヒカリは千葉と並んで、早場のお米です。早く出荷しないと毎週のように新米相場が下がるので、本当に良い刈り取り時期まで待てずに早刈りしてしまい、未熟粒にもなりかねない青米が多く、粒の張りもあまりない、茨城のお米。新米の香りはあるが、甘みは少ない、それがイメージでした。
大嶋さんは、JAにもJA以外の出荷業者にもお米を出さず、自力で販路を開拓しています。つまり、直接「大嶋さんの米」を評価した人がいないと販売できないのです。
それでは、大嶋さんの米作りは、何が違うのでしょうか?
- まず、大嶋さんはJAS有機栽培をしています。有機米だから美味しいお米ではありません。(注1)大事なことは、無農薬栽培の継続により、土壌がさらに改善され、高いレベルのお米を継続的に栽培するために有利な条件となることです。
- 外部から購入する有機肥料ではなく、地元の材料から作る堆肥により、地域循環型の栽培を実践しています。全体が良くなるという、地域トータル型栽培です
- 稲の状態をきちんと把握して、必要なことを必要な時に施す、専業ならではの栽培です。一日でも早く市場に出して、値の良いうちに売り切ろうではなくて、粒が結実するまでじっくり待ちます。
- 上記の結果として、茨城の米としては充実した粒張り、平均をはるかに上回る粘りと甘みをもったコシヒカリです。
(注1)有機栽培は、良いお米の十分条件でも必要条件でもありません。有機栽培などの無農薬栽培は、なにより「土」のためです。「土」が良くなれば、将来的にも良いお米を栽培できる可能性が広がります。無農薬の恩恵は、「土の健康」、「生産者の健康」、最後に「消費者の健康」という順番です。