さくら福姫　JAS有機栽培　
宮城県栗原市斎藤さん

コシヒカリ。日本で何十年もトップブランドの怪物品種。ですが、背が伸びると倒伏しやすいという欠点も。最近の異常気象でもそれが課題の一つ。それを改善した品種です。元々、倒れにくい外来のお米（アメリカと台湾）から作ったリーフスターとコシヒカリを掛け合わせ、さらにまたコシヒカリを掛け合わせ、ＤＮＡマーカー選抜という最新技術で選別をして作られた「さくら福姫」。コシヒカリの美味しさと茎の強靭さを兼ね備えたお米です。

• まず、品種として大きいといわれる粒ですが、本当に大きい粒です。じっくり登熟させるからでしょう（収穫は１１月です！！雪が降る頃）。粒が大きく、色・形が良く、サイズも揃っています。
• だいたい大粒の品種は、どちらかと言えばさっぱりとして大味ですが、甘みがあり、粘りも少なすぎず主張すぎず、なによりお米の旨みがあります。
• 急がずに田んぼと機械でじっくり乾燥させるからでしょうか、精米でも割れたりしない腰の強いお米です。

すべてのお米をJAS有機で栽培。仙人というか侍というか、風貌がそのまま一筋縄ではいかない頑固ぶりを表しています。
そんな斎藤さんが作る、JAS有機栽培さくら福姫！その栽培の特徴は：

●全量JAS有機

１５ヘクタールに、「ササニシキ」「ひとめぼれ」「つや姫」「金のいぶき」「みやこがね」などを、全量JAS有機で栽培しております。JAS有機とは、化学合成農薬と化学肥料（窒素）を三年間以上使用しない田んぼに対する認証です。

●有機肥料

有機の肥料は、自作と外部からの購入物。自作肥料は　草・藁・モミガラ・米ぬか・くず米などを完熟堆肥にしています。

●すべてがスローライフな栽培

完熟した稲の育成が基本です。まず、苗をしっかり作り、急ぐことなくじっくり栽培します。稲の様子を観察して、必要な対処を施します。
収量を上げるための密植はせずに、できるだけ苗も薄く植えます。太陽も空気もたっぷり浴びて、稲は上に上にではなくて、茎が太く横にしっかり張り出した姿となります。結果として、強い健全な稲となります。
寒さに弱い・茎が細く倒れやすい「ササニシキ」ですら、平成５年の大凶作の時（宮城県は壊滅的）に、ほとんど例年通りの収穫でした。

●最大の難関：雑草

有機栽培の最大の問題は雑草です。除草剤を使わないので、機械を使いながらの手取りになります。途中までは、いいのですが、最後は取り切れません。どうしても、雑草に養分を取られ、取れる量は減ってしまいます。が、それを雑草との共生という感覚で受け止めます。