コシヒカリ 幻の米 長野県飯山市
厳選された玄米をこだわりの低温精米で仕上げます!
五ツ星・三ツ星マイスターとお好みのお米を探しましょう。
令和六年産 長野県コシヒカリ
飯山市宮崎さん
(実質農薬点数三点=県の基準の1/4)
誕生:1956年
親品種:農林22号/農林1号
開発地:福井農業試験場
長野県飯山市の宮崎さんが作るコシヒカリ。このお米は、化学合成農薬を極力減らして作ったお米です。長野県の農薬一般基準は12点。このお米は、除草剤だけ3点。農薬を75%減らした栽培です。
新潟魚沼にもひけをとらない、ぴっかぴかの「幻のお米」です。新潟より若干硬め、表現を変えると、粒がしっかりしています。
※令和三年産は、今までにない柔らかいお米でしたが、令和四年産は、一言でいえば、本来の「飯山コシヒカリ」。お米の美味しさは当然で、そこに甘みも加わり、そして、噛み応えが十分。柔らかく甘いお米が多い昨今、このしっかりさは貴重です。
『コシヒカリ』系譜と飯山市宮崎さんのお米
現在、日本で作られるお米の約四割を占めるコシヒカリ。その道のりは以下のようなものです。
元々、コシヒカリの開発は、1944年(昭和19年)、新潟で始まっていました。戦後、北陸の開発品種は全て福井県農業試験場に集められたので、1956年福井県で誕生しました。
最初「越南17号」という系統名でしたが、北陸の昔の国名「越の国」にちなんで、「コシヒカリ」と命名されました。
親品種は、いもち病に強い農林22号と食味・収量が優れる農林1号。この両親からは、コシヒカリの他にもいくつかの品種があります。全く、性質が異なります。育種の難しさと面白さがわかります。
最初は、あまり良い評判ではありませんでした。食味は良いのですが、病気に弱く倒伏しやすく、栽培しにくかったからです。
誕生県の福井県でも生産が見送られましたが、新潟と千葉だけが採用した結果、コシヒカリは日の目をみました。
その後、時代は量より質、美味しいお米が好まれる時代となり、倒伏を防ぐために肥料を抑えた、良食味のコシヒカリは、ササニシキと並ぶお米の横綱となり、全国的(北海道・青森・岩手・秋田・沖縄を除く)に作られるようになりました。さらに、コシヒカリの子供・孫まで入れると、日本の生産量の7割以上を占めるほどの、圧倒的な存在です。
コシヒカリが栽培される以前の長野県は、ブレンドするための増量米産地として有名でした。当店にもいわゆる「ヤミ米業者」が、長野県のお米をトラック一杯に積んできたのを覚えています。
現在、長野県の主力品種はコシヒカリに変わり、高品質の産地として知られるようになりました。その中でも「飯山」は、県内でも知る人ぞ知る名産地です。噂話ですが、飯山地区の山向こうが新潟魚沼なので、美味しい飯山米が山を越えて魚沼米になっていたと言う人もいます。
なお、長野県は冷涼地のために元々農薬使用量が少ないのですが、そのために、基準使用量が厳しく、特別栽培米(減農薬=県の基準値の半分以下)の適用が難しい県です。例えば、飯山地区では、平均8点という農薬使用量ですが、これは他県では十分減農薬の申請が出来るレベルです。宮崎さんは、さらにそれを上回り、化学合成農薬の使用については、除草剤のみという栽培方法で、点数に直すと3点で、一般に比べて75%少ないのです。
出来のいい魚沼コシヒカリに比べると、粘りは若干弱いですが、あまり強い粘りを「べたべた・くどい」と感じる方には、なによりお勧めできるお米です。